ドジョウ

ドジョウ(マドジョウ)

ドジョウ
田植え後、水田に現れたドジョウ(益城町の水田、2019年7月)

日本の水田環境を象徴する淡水魚が、このドジョウ(マドジョウ)でしょう。水田に水が張られた5-7月に、水路や河川から水田に遡上してそこで産卵します。ただし、近年は排水路と田面に段差があるため繁殖が難しく、少しずつ姿を消しつつあります。特に九州では、本州などに比べてドジョウを見かける機会が少ない印象があります。

ドジョウのメスの3Dモデル(岩手県、2021年6月)

ドジョウの雌雄は胸ビレを見ればわかります。ヒレが長くやや尖っていればオスです。

ドジョウの雌雄
左:メス、右:オス。

近年、ドジョウは分類が整理され、ドジョウ(北海道~九州)、キタドジョウ(北海道~東北)、シノビドジョウ(西表島、徳之島)、ヒョウモンドジョウ(与那国島、沖縄島)の4つに分けられました。とはいえ、九州本土で見かけるドジョウは、ドジョウと同定してまず間違いありません。

キタドジョウ
キタドジョウ(山形県、2021年6月)

シノビドジョウ
シノビドジョウ(徳之島、2019年11月)

ヒョウモンドジョウ
ヒョウモンドジョウ(沖縄島、2017年12月)

ただし、中国からの外来系統のドジョウ類もいるため、注意が必要です。

中国系統のドジョウ
中国系統のドジョウ(佐渡ヶ島、2008年7月)。養殖されて「どぜう鍋」として食されるのが、この外来のドジョウです。野外にも逸出して野生化しており、九州でもちらほら見かけます。関東平野や濃尾平野では特に多いようです。在来のドジョウとの区別は難しいですが、やや灰色ぽく、形が図太く寸胴な印象があります。