いわゆる「イボガエル」と呼ばれるように、体に凹凸の目立つ蛙です。オタマジャクシは、その年ではなく、越冬して翌年に成体になる事が多いため、一年を通して水がある環境を好みます。そのような環境は少なくなってきているためか、特に九州では近年あまり見かけなくなりました。
ヌマガエルとツチガエルはよく似ていますが、腹部を見ると一目瞭然です。ヌマガエルは腹部一面が白いのに対して、ツチガエルは褐色のまだら模様があります。
ツチガエルは夏場の水際に「グエーグエーグエー」と、特徴的な低い音で鳴きます。ときに「ツェツェツェ」という高い音程の別の鳴き方もします。
しかし、ツチガエルには興味深い習性があり、水中の水底でも鳴くことが筆者の研究でわかりました。なぜ水中でも鳴くかはわかっていませんが、天敵(蛇など)からの回避や水中の方が音が伝わりやすい、といった理由が考えられます。
ツチガエルのオタマジャクシは、他種との区別が難しいですが、眼が十字模様になり「ピエロ目」のようになることが一つの区別点です。ただし、それでもウシガエルの小型のオタマジャクシと判別が難しいことがあります。